著者からのメッセージ
泉鏡花の「夜叉ヶ池」は、日本語で書かれた戯曲のうちでもっとも優れたもののひとつだと思います。山深い里に、むかしからの龍神信仰を守ってひっそりと暮らす美しい百合と晃の夫婦。世間の人たちは彼らの尊さに気がつかず迫害し追い詰めて、二人は悲しい結末を迎えます。ところがそのとき、にわかに夜叉ヶ池に大波が立って――。
戯曲の中に、晃の親友で学円という本願寺派のお坊さんが登場します。学円は劇中では狂言回しの役割を果たすのですが、一回だけとても重要なセリフがあります。お坊さんがそんなことを言っていいの? と、いうようなセリフです。彼はなぜ、その一言を口にしたのか。物語はそこから始まります。
学円も、その子も孫も、もちろん現実には存在しません。ですが、私は信じています。いらしてくださった方たちがこの物語を聞いてくださることによって、彼や彼女たちにまた、新しい生命が与えられるのだと。そうでなければ、なにも始まらないのだと。
それでは、求道会館でお会いしましょう。
合掌
瀬野美佐
戯曲の中に、晃の親友で学円という本願寺派のお坊さんが登場します。学円は劇中では狂言回しの役割を果たすのですが、一回だけとても重要なセリフがあります。お坊さんがそんなことを言っていいの? と、いうようなセリフです。彼はなぜ、その一言を口にしたのか。物語はそこから始まります。
学円も、その子も孫も、もちろん現実には存在しません。ですが、私は信じています。いらしてくださった方たちがこの物語を聞いてくださることによって、彼や彼女たちにまた、新しい生命が与えられるのだと。そうでなければ、なにも始まらないのだと。
それでは、求道会館でお会いしましょう。
合掌
瀬野美佐
謝辞
この度の公演は、真宗大谷派東京宗務出張所のご協力があったからこそ実現できます。心より感謝申し上げます。






